Episode 4

福廣 匡倫(ふくひろ・まさみち)

晃立工業株式会社 代表取締役社長

NAID JAPAN 第一期Boarder

晃立工業株式会社は、鉱石を一気に砂サイズに粉砕できる「製砂機」のメーカーです。半世紀以上にわたって積み上げてきたこの製砂技術を応用し、国内史上初のHDDやSSDに対応したマルチメディアシュレッダー・マイティセキュリティシリーズを展開しています。

 

先月、NAID AAA認証企業向けの監査オリエンテーションが行われました。

 

NAID JAPANのボードミーティングにおいて、今年度から、NAID(米国の本部)が発行する『NAID AAA認証要件参考マニュアル』の内容に忠実に監査を実施することが決定されたためです。このことを受け、日本におけるNAID AAA認証企業も、世界基準で機密抹消処理業務のプロフェッショナルであることが求められるようになり、それゆえに世界的に最も安心できる機密抹消処理が日本でも利用できることになります。まさに日本の機密抹消処理の夜明けです。

 

 

「『NAID AAA』って何だ?」

 

ここで、いま一度NAIDについて少し触れてみたいと思います。

 

NAIDウェブサイトトップページの説明をかいつまむと、

① 物理破壊による安全な機密抹消処理の業界標準を提唱する標準化団体であり、

② 何十年もの間、世界中の安全な機密抹消処理事業者の監視機関であり続け、

③ 世界中でおよそ1,000の機密抹消処理事業者に付与しているNAID AAA認証は、今や数千の政府機関および民間企業から要求されている

ということです。

 

世界中の政府機関や民間企業がNAID AAA認証を取得している機密抹消処理事業者にしか当該業務を委託しない、という事実が、NAID AAA認証企業による機密抹消処理業務がいかに安全なものであるかを物語っています。このことをふまえると、日本において2019年の神奈川県庁のハードディスク漏えい事件以降「いかに機密抹消処理を行うのが安全なのか」が議論されましたが、「機密抹消処理を外部委託する場合は、必ずNAID AAA認証取得企業を選択する」という世界で最も実績のある基準、つまりグローバルスタンダードに合わせるのがベストな選択肢だったのではないかと思わずにはいられません。この点については、まだまだNAID AAA認証を広く認知させられていないNAID JAPANの課題です。

 

さて、ではなぜNAID AAA認証企業へ機密抹消処理を委託するのが世界でベストとされているのでしょうか。NAID AAA認証は、他の認証と何が違うのでしょうか?

 

 

「『NAID AAA認証』と他の認証の違い」

 

NAIDのウェブサイトには、NAID AAA認証が他の認証と違う点について、以下のようにまとめています。

上記のうち特にサプライズ監査は特徴的で、NAID AAA認証企業は「監査の時だけ体裁を整える」ということができません。よって、いつサプライズ監査があっても問題がないように日常的にNAID AAA認証要件に従って業務をきちんと正確に遂行できている、ということになるわけで、だからこそNAID AAA認証企業による機密抹消処理は安心できる、というわけです。

 

またもうひとつ特徴的なのは、「認証要件参考マニュアル」が一般公開されている、ということです。JISやISOに代表される、いわゆる認証プログラムにおいて、その要求項目と監査方法のマニュアルが無償で一般公開されているケースは珍しいのではないでしょうか。「NAID AAA認証を取得しているのは、このようなことを整備、実践している企業なんだ」ということを誰でも明確に理解できるわけです。だから「なんとなく」ではなく、「この企業に機密抹消処理を委託すれば『間違いなく』安心」と確信をもっていただけるということです。

 

 

「『NAID AAA認証要件参考マニュアル』翻訳プロジェクト秘話」

 

冒頭で、「今年度から、NAID(米国の本部)が発行する『NAID AAA認証要件参考マニュアル』の内容に忠実に監査を実施することが決定された」とご説明しました。今回のコラムでNAIDおよびNAID AAA認証のことを解説してきた中で、この決定の重要性をご理解いただけたのではないかと思います。

 

だからこそNAID JAPANとして、この『NAID AAA認証要件参考マニュアル』の翻訳には長い時間を費やして議論を繰り返してきました。法規制や文化の違いをふまえて日本の事情に合うように読み替えたりすることもさることながら、単に機械的な翻訳を行うべきではないと感じていたからです。というのもこの『NAID AAA認証要件参考マニュアル』には、長年をかけて最も安心で安全な機密抹消処理業者の認証として世界中で実績を築きあげてきたNAIDの魂がちりばめられているからです。この魂を読み解かずして、日本に機密抹消処理の夜明けはやってきません。無償で一般公開されるこのマニュアルを読んだ誰もが、NAID AAA認証の何たるかを明確に理解でき、その理解をもとに「この企業に機密抹消処理を委託すれば『間違いなく』安心」と確信をもてる、そんなバイブルでなくてはならないのです。

 

インターネット上で簡単に翻訳ができる時代に、そこまでやる必要はなかったのかもしれません。が、機械的な翻訳には魂はこもりません。魂を持つ人間は、魂がこもっていないものには共感ができません。

 

『パッドマン 5億人の女性を救った男』というインド映画をご覧になった方がいらっしゃるでしょうか。インドで生理用品の普及に奔走した男性の実話を映画化したものですが、紆余曲折の末にこの男性は功績が認められ、国連でスピーチする場を与えられます。しかしこの男性は流暢に英語を話すことができません。そのため国連側は英語の通訳を用意するのですが、この男性は通訳は不要だと退け、流暢ではない英語で、しかし魂のこもった自分の言葉で演説をし、喝采を浴びます。

私もニューデリーでインドの中央機関の役員を相手にプレゼンテーションをする場を与えられたことがあるのですが、このとき通訳をお願いしていた現地のパートナー企業の社長の会議への出席が急遽許可されず、どうしようか路頭に迷いました。しかし、主催者から「言葉に情熱はこもるもの。英語が下手でも必死にしゃべれば必ず相手には伝わる」と言われ、結局下手な英語でプレゼンテーションをしたのですが、笑いもあり(失笑かもしれませんが、、、)、最後には拍手をいただくこともできました。情熱は伝わるものだなと感じた瞬間です。

 

実はNAID JAPANが誕生するきっかけとなった瞬間も、NAIDのロバート・ジョンソンCEOとNAID JAPANの端保聡代表理事との、言葉の壁を越えた情熱の2者面談だったようです。

 

NAID JAPANは魂と情熱をこめて、日本の機密抹消処理の夜明けを先導します。

 

TOGETHER to the FUTURE

機密処理産業の未来を一緒に。

一般社団法人NAID JAPAN